辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 エルも、三兄弟と同じようにぎゅぎゅっと抱きしめられた。

 旅をしてきたというのに、ロザリアの身体からはふわりと優しい花の香りが立ち上る。

(お母さん……)

 不意に、その言葉が頭に浮かんだ。今回の人生の母親のことは覚えていないけれど、前世の母からはたくさんの愛情を与えられた。母の温かさを思い出す。

「……どうしたの?」

 エルが涙ぐんでいるのに気が付いたらしく、ロザリアはエルを離した。

「へんきょうはくふじん、いい香り、する」

 この城に来たばかりみたいな口調になってしまった。その言葉にロザリアはますます目を丸くする。

「あなたさえよかったら、ロザリアと呼んでちょうだい。お母様でもいいのよ」
「それはまだ早いだろう。俺も名前でしか呼ばせてないぞ」
「ロザリア、様。ロザリア様……」

 ロザリアの名前を呼ぶと、心がふわふわした。