辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

「まったく、これでは役に立たないではないか。呪われた娘なんて噂が立ってしまったら」

 エルレインのいる部屋を訪れた伯爵は、いらいらと歩き回る。ベッドに座っているエルレインには見向きもしなかった。

「――役立たずめ!」
「とう、様」
「私は、お前の父親ではない! そうだ、あの女が不貞を働いたに違いない。私の娘が、このような化け物のはずはないからな!」

 化け物の娘。

 真正面からそう告げられ、エルレインの目からぼろぼろと涙が零れ落ちる。

「私には、本当の娘がいるんだ。お前とは違うまともな娘がな!」

 どうしてそんなひどい言葉をぶつけることができるのだろう。

 ろくに話をしてくれる人もいないまま、ただ、日は過ぎていく。時々、使用人がやってきて、乱暴に湯につけられたのは、エルレインがくさいという苦情が出た時だけ。