辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

「おやすみなさい、ロドリゴ様。おやすみなさい、ジャン」

 そろそろ、上瞼と下瞼がくっついてしまいそうだ。ふわ、とあくびをしながら気が付いた。

 エル本人は、味見してなかった!

 

 * * *

 

 エルが厨房を出ていくと、ロドリゴは皿を引き寄せた。

「悪いな、ちょっと付き合ってくれるか」
「承知しました」

 ロドリゴに対する恨みの念というのはまったくない。兄がどれだけロドリゴを大切に思っているか、ジャンはきちんと知っているから。

 この地を守るために日夜働き続けている人を、どうして恨めるだろう。兄が、ロドリゴをかばって命を落としたのも納得できるような気がしている。

 もし、ジャンが同じような状況に陥ったなら。

 きっと、兄と同じ行動を取るのだろう。そう断言することができる。

 ロドリゴがジャンを招き入れたのは、騎士団長の執務室だった。