辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

「塩味と甘味と、ぴりっとした辛みが合っています」

 よかった、とエルはひそかに胸を撫でおろした。おいしくできたとは思っていたけれど、ジャンが気に入ってくれなければ意味がないのだから。

「エル様、あとで作り方を教えていただけますか?」

 腰をかがめたジャンが、思いがけない頼みをしてきたので、エルは目を瞬かせた。作り方はさほど難しくないと思うけれど、ジャンが作るのだろうか。

「兄のお墓に供えたくて――きっと、喜んでくれると思うんですよ。お酒にも合いそうです」
「ジャンはお酒好き?」
「ええ。読書をしながら、お酒を飲むのが楽しいです」

 ふむ。お酒と甘味と愛の詩。素敵な組み合わせではないだろうか。

「いいよ。明日、教えてあげる。エルは、そろそろおねむしないとね」

 子供の身体でいるのが、こんなにも大変なものだとは思っていなかった。すぐに疲れるし、すぐに眠くなってしまう。