辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 キャラメルの上から粗挽きにした胡椒少々。これで、冷めたら完成だ――と、ロドリゴがひょいとクルミを取り上げた。

「甘くて、しょっぱくて……あ、ピリッとする。美味い。ああ、これか大人の味」

 にやにやして、さらに二つ目、三つ目と続くロドリゴの手を、エルはぺしんと叩いた。

「これはジャンの。ロドリゴ様のじゃ、ない」
「いいだろ、試食は必要だ」
「試食、大事……」

 一瞬うなずきかけたけれど、すでに四つ目に手が伸びているではないか。慌ててもう一度ロドリゴの手をぺちんとした。

「これはジャンの! ロドリゴ様のは明日作る!」
「明日かよ!」
「だってもうエルおねむのお時間だもの。起きたらお夕食の時間」

 子供は早寝早起きしろというのが辺境伯家の家訓である。辺境伯家の三人も、見習い騎士達も夜の待機は十八になるまで免除されているそうだ。