辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 ジェナは、魔道コンロの火がなくても熱を生み出すことができる。きっとこれも、精霊の力なのだろう。

「お水、蒸発するまでお願い」

 そう頼むと、小刻みに中身を揺さぶりながら上手に熱してくれる。ハロンも木べらを手に、頃合いを見計らってかきまぜてくれた。

 ナッツの水分を飛ばし終えたら、今度はキャラメル作りである。ジェナに砂糖を投入。せっかく辺境伯領にいるので、ブラストビーの蜂蜜も追加してみる。

「なーなー、俺の分もある? 手伝ったし」
「……ちょっとだけなら、いいよ」

 ハロンがいそいそと厨房についてきたのは、これが目当てだったのか。ジャンに渡す前に味見をしてくれる人がいるならありがたいけれど。
 と、キャラメルソースのいい香りが漂い始めたところで、ロドリゴが顔を覗かせた。

「何してるんだ?」
「エルが、ジャンにナッツのお返しをするんだって」