辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 前世でのエルは、たぶん一人娘だった。と判断しているのは、記憶の中ではいつも一人だったからだ。幼い頃は、父と母と三人家族。けれど、父は出張続きでめったに家に戻ってくることはなかった。

 母と二人で囲んだ食卓。それから、こっそりお店に紛れ込んで、常連さん達に可愛がってもらった思い出もある。

 けれど、母が亡くなってからはいつも一人だった。店を切り盛りする人がいないのだから、店をオープンするわけにもいかない。

 一人分の食事だけ用意して、一人で食卓に向かう日々。母がいなくなった分、食卓はよけいに広く感じられた。


 その日の夕食は、なんだかしんみりとした空気の中終了した。

「ラスにぃに、教えてください」

 明日の朝の仕込みは、いったん後回し。ロドリゴが先に席を立つのを待って、ラースを呼び止める。