辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 そういえば、ジャンには兄がいたけど、殉職したような。誰に聞いたのだったかは、忘れてしまった。

 テーブルの上に残されていた包みをさっとまとめたかと思ったら、ジャンはそれをエルの手に握らせた。本を小脇に抱え、待機室を出ていく。

 他の騎士団員が彼に続いて出ていくのを見送りながら、エルは手元の紙を開いてみた。中のナッツを取り出し、一つ、口に放り込む。

「甘い。おいしい」

 ジャンの元気がないのは、どういうわけなのだろう。もし、長い期間続くようなら、エルにできることはあるだろうか。

 

 エルのその疑問は、夕食の時間に解消されることになった。辺境伯家では、特別な理由がない限り、夕食の時は家族で食卓を囲む。

 他の人達には聞かせられない機密に関わる話がここで出ることもあるらしい。らしいというのは、エルが来てからは機密に関する話は、エルがいないところですることになったそうだ。