辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 たしか、前世のお客さんの中にも同じような人はいた。前世のエルは、彼からいろいろな小説を借りて読んでいたような記憶もある。

「なるほど」

 騎士団の中にジャンを馬鹿にしている人は見受けられないから、これもジャンの個性として受け入れられているのだろう。

「これ、何?」

 本の側には、小さな包みが広げられている。ナッツだろうか。何かナッツ類に絡められていて、甘い香りがする。

「ナッツのキャラメリゼ、です」
「ナッツ、キャラメル」

 なるほど。そういえば、ジャンは甘いものも好むのだったか。ここの騎士団には、意外と甘党の人間も多い。

「おいしい?」
「おいしいですよ」

 そう言えば、少し、ジャンの元気が足りないような気がする。首をかしげて見ていたら、ジャンは困ったような顔になった。

「お腹空いてる?」
「え?」
「元気のない顔をしている、よ」
「これは失礼しました」