父と娘、二人きりの家族だったはずなのに、父とは向き合う時間があまりとれなかった。
母を亡くしてからは、なおさら娘に向き合うのを避けているようにも感じられた。
それが寂しくなかった、傷つかなかったと言えば嘘になるけれど――でも、自分には、店に集まってくれるお客さん達がいる。彼らが家族みたいなものなのだ。
いつまでもいつまでも、この人達と優しい時間を過ごしていたい。それだけで十分満足だ。
――そう思っていたはずなのに。
夢の世界が切り替わる。
生まれたばかりの小さな赤ちゃん。自分なのだと理解した。
「まあ、見た目は悪くないな。大きくなったら、政略結婚の駒としては使えるだろう。名前はエルレイン、だな」
そう口にしたのは、たぶんエルレインの父に当たる人。たぶんなのは、エルレインにこの人が優しく微笑みかけてくれたことはないからだ。
母を亡くしてからは、なおさら娘に向き合うのを避けているようにも感じられた。
それが寂しくなかった、傷つかなかったと言えば嘘になるけれど――でも、自分には、店に集まってくれるお客さん達がいる。彼らが家族みたいなものなのだ。
いつまでもいつまでも、この人達と優しい時間を過ごしていたい。それだけで十分満足だ。
――そう思っていたはずなのに。
夢の世界が切り替わる。
生まれたばかりの小さな赤ちゃん。自分なのだと理解した。
「まあ、見た目は悪くないな。大きくなったら、政略結婚の駒としては使えるだろう。名前はエルレイン、だな」
そう口にしたのは、たぶんエルレインの父に当たる人。たぶんなのは、エルレインにこの人が優しく微笑みかけてくれたことはないからだ。


