辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 そして、火がつけられ、油が熱せられる。

「油、中温」

 唐揚げは中温で揚げる。

 鍋に残った粉を水で溶いたものをちょっとたらし、底についたら浮き上がってくるか、半ばで浮き上がってくるあたり。沈んでしまっている時は温度が低すぎるし、表面でとまってしまうのは高すぎる。

 ちょうどいい温度になったところで、寝かせておいた肉を投入。
この時も、一度に入れすぎてはいけないのだ。油の表面がみっしり肉で埋まっているようでは駄目。ある程度空間を開けて入れないと、油の温度が下がってしまう。

「ジェナは完璧だねぇ……」

 樽の上に腰かけて、足をぶらぶらさせているエルはご満悦である。

 なにしろ、ジェナの火加減は完璧。少し火からの距離を遠ざけたり、近くに行ったりすることによって、火加減を調整しているのだ。

 横目でジェナの様子を見ながら、今日の調理係も次から次へと肉を揚げていく。