辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 大きな鍋でスープをくつくつ煮込んでいる間に、調味液の染みた肉に粉をつける。小麦粉と片栗粉を混ぜ合わせたものでつくるのがエル流だ。粉をつけた肉は少々寝かせておいて、その間にスープの仕上げ。

「もうちょっと、お塩」
「このぐらいっすか?」

 樽の上に座っているエルのところに、味付けをされたスープが小皿で提供される。エルは生真面目な表情でそれを受け取ったかと思うと、一口飲む。これが、エルの仕事なのだ。

 味の調整が終わったら、いったんスープは下げておく。

 ここからが大騒ぎだ。

 揚げ物用の鍋を三つ魔道コンロ に置く。エル一人ぐらいならすっぽり入ってしまいそうな大きさの鍋だ。

「ジェナ、お手伝いして」

 ふわりと飛んできたジェナが、自分から魔道コンロに飛び乗った。

 そこにどんどん油が注がれる。ジェナは途中で多すぎるというようにぷるぷると身体を震わせた。