辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

「こんな小さな子が一人でこんなところにいるのっておかしいですよね。もしかして、親とはぐれたのかも。騎士団員達と周囲を捜索してみます。兄上は連れ帰って医師を手配してください」
「わかった!」

 ほら、メルリノはこういう時に頼りになるのだ。ラースは、この子の親の存在までまったく考えていなかった。

 ラースは拾った子供を大急ぎで連れ帰る、メルリノは騎士団員を集めて森を捜索する。手早く役割分担をすませると、ふたりは、それぞれの目的を果たすために急ぎ足で屋敷に戻ることにした。

 

 * * *

 

 母が遺してくれた店は、自宅の一階が店舗だった。

「――ちゃん、――ちゃんの料理は、お母さんと同じ味がするね」
「本当? お母さんのレシピで作ってみたんだけど、同じ味がするならよかった」

 頑張って収容しても、十人で限界な小さな店。カウンターしかないその店は、母が結婚と同時に始めたもの。