辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 生地をまとめたら、ベティに一口サイズに切り分けてもらう。フォークでぷすぷす穴を開け、少し休ませてから、熱したオーブンで焼く。実際にエルは手出しを禁じられているので、このあたりは今日の調理係にお任せだ。
 別のオーブンでは、蜂蜜プリンが蒸し上がろうとしていた。

「はー、いい香り……」

 厨房の扉のところに張り付くようにして、中の香りを堪能していたハロンは、エルに見つかると「まずい」というように頭をひっこめた。

「ハロにぃに! 見えてますぞ! 隠れてない!」

 ふふふっと笑うと、また、こそっと頭が見える。可愛いと思ったら間違いだろうか。

 ラースとメルリノは年相応の落ち着きが見られるけれど、ハロンはまだ子供という面が強い気がする。特に、エルを相手にしている時は。

「にぃに、プリン、できたよ!」
「こっちのオーブンは?」
「ショートブレッド! おいし!」