辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 ――でも。

「ジェナ、お願い!」

 不意にどこかから飛んできたフライパンが、魔物の横っ面をひっぱたいた。城からここまで飛んできたらしい。

 そして、フライパンと共にやってきた包丁が、魔物の目の前でひらひらと飛び回っている。魔物は、頭を殴られ、視界を包丁に支配され、ますますいらだったようだ。

「にぃに、今!」
「う、うんっ!」

 メルリノは、腰の剣を抜いた。すらりと抜き放つその動作には迷いがない。

 一瞬にして魔物に接近したメルリノは、一気に首を切り落とす。

「メルリノ様、ここにいらしたんですか? おおっ!」

 その時になって、ようやく騎士団員が到着する。その時には、メルリノは剣についた血を拭っているところだった。

「やりましたね、メルリノ様!」
「メルにぃに、かっこよかった!」

 メルリノの手を、エルはぎゅっと両手で掴んだ。