辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 城に避難した人から、ここでメルリノと魔物が対峙していることは騎士団に伝わるはず。そうたたないうちに、きっと救援が来るだろう。

(――だから、頑張れ。あと、もう少し!)

 エルは、メルリノの首にぎゅーっとしがみついた。

 メルリノなら、大丈夫。大丈夫ったら大丈夫。

 なんの根拠もないくせに、しきりに心の中でそう繰り返す。

 魔物がとびかかる、メルリノが結界を張る。一人と一体の攻防は、数分にわたって続いただろうか。

「――しまった!」

 メルリノがよろけた。エルを離すまいとし、身体が揺れる。なんとか持ちこたえたものの、右足を捻ったようだった。

「エル、君だけでも――!」

 魔物がとびかかってこようとした時、メルリノはエルを地面に下した。エルだけでも逃げろ、と。

 たしかにそれはそうかもしれない。今まで、エルを抱えたまま魔物と戦っていた方がどうかしているのだから。