辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 それでも、自分の身ぐらいは自分で守ると、剣の鍛錬は欠かさないらしい。メルリノのそういうところはエルにとっては好ましいものであった。

「嬉しい?」
「嬉しい、よ!」

 嬉しいことを示すみたいに、ぴょんとジャンプ。メルリノが顔をほころばせた。

 ――よかった。

 連れ出す前のメルリノは、幾分、思いつめたような顔をしていたから。

 エルにできることはたいしてないだろうけれど、彼の心の安定に役立つのなら、一緒に買出しに行くぐらい何度だってやる。

「卵、たーまーご」
「どのぐらい買うんですか?」
「いっぱい! お砂糖もいっぱい!」
「うーん、でも、砂糖はな……ブラストビーの蜂蜜ならいくらでも使っていいんですけど」
「ぶらすとびー?」

 首をかしげていたら、メルリノはブラストビーと呼ばれる蜂型の魔物の蜂蜜が、この地では豊富に取れるのだと教えてくれた。