それはそれでいいことなのかもしれないけれど、攻撃魔術には才能がなかった。メルリノが得意とするのは、防御の魔術と回復魔術。
もちろん、辺境の地ではいずれも大切だ。防御の魔術がなければ、城下町で暮らす人を守ることができない。回復魔術は、傷ついた騎士達を回復させるのに必須だ。
頭ではわかっているのだ。わかっている、けれど。
心がついてくるかどうかは別問題である。
「メルにぃに、お留守番?」
朝食を終え、待機しているととことことやってきたのはエルだった。
ラースに連れられ、森に行った時に見つけた女の子。拾った時には薄汚れていたし、痩せこけていた。一時は命の危険もあったのだが、今はすっかり回復している。


