辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

「いつか、本当に子供になりたくなったら言え。俺がいい婿さんを見つけてやるからな!」

 はは、と笑うロドリゴの顔を見上げてエルは思った。それは、いくらなんでも気が早すぎるのではないだろうか。

 

 * * *

 

 メルリノにとって、エルは守るべき大切な存在だ。

 兄のラースにはかなわない。弟のハロンにもかなわない。

 なにしろ、ラースは脳みそまで筋肉でできていると言われるレベルの肉体派だ。だが、魔物が跋(ばっ)扈(こ)するこの地では、脳筋は誉め言葉だったりする。

 そして、ハロン。

 剣の腕ではラースに及ばないし、魔術の腕ではメルリノに劣る。だけど、末っ子の特権なのか、兄達のいいところをぐんぐん吸収し、今では魔物討伐に駆り出されるほどの腕前だ。

(それに引き換え、僕は)

 鍛えてはいるが、どう頑張ってもメルリノには筋肉はつかなかった。母方の家系の血が濃く出たらしい。