辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 生卵を絡めて食べるというのが、この地の人たちに受け入れられるかどうかは不安だったけれど問題なさそうだ。

「エル、これもっと作れる? 父上にも食べてもらいたいな」
「作れるよ。大きなお鍋、用意して、もらった!」

 平たい鉄鍋も、火にかけられている。大人数が相手になるので、エルは大忙しだ。鍋の側にいる人に指示を出し、順番にすき焼きも用意していく。

「卵に合う!」
「野菜がくたくたになったところもいいな!」

 騎士団員達は、目新しい食事にも恐れる様子は見せずに果敢に食らいつく。こんなにもおいしいおいしいと食べてもらえるのであれば幸せだ。

(……こういうの、いいな)

 前世に帰ったような気分だと言ったら笑われてしまうだろうか。

 でも、前世でもこうやって――名前も思い出せないけれど――前世のエルが作った料理をおいしいと喜んでくれる人がいた。