辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 そして、すき焼きといえば卵。浄化魔術というものがあって、それを使えば卵が綺麗になるそうだ。

 辺境伯家では、しばしばこうやって外で飲んだり食べたりするらしい。夜間警備の担当者はお酒が飲めないけれど、蔵から酒樽も持ち出されている。

「よしよし、お肉を焼きますよっと」
「エル、火に近づきすぎないでね……?」

 メルリノが、エルを気遣ってくれる。

「ジェナがいるからだいじょーぶ、ですよ!」

 網の端っこを借りてジェナを載せる。ジェナは、火加減を完璧に調整してくれる。

 ジェナが「いいよ」と合図をしてくれるのを待って、油を馴染ませてから肉を載せる。じゅうっという音と共に広がる肉の香り。

(んー、幸せ……!)

 味覚は今朝取り戻したばかりだけれど、そう言えば香りもわかるようになっていた。