辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 とんとん、とベティが調理台の上で跳ねて、理解したと合図する。どのくらい? と問いかけるみたいに左右に刃を揺らしたので、このぐらい薄くと指示をする。

「なあ、エル。こんなに薄く切ってどうするんだ?」

 見慣れない薄さだとハロンが覗き込んできた。たしかに、騎士団でこれだけ薄く切るというのはあまりないだろう。がっつりと厚めに切った肉を好む人が多そうだ。

「んふふ、おまかせ、ですよ!」

 だが、エルにはこの厚さが必要なのである。それから用意するのは野菜、今日届けられた調味料を使っての割り下である。

 そう、すき焼きをやろうというのだ。

「ジェナ、手伝ってくれる?」

 いいよ、というようにジェナが飛び跳ねた。

 野菜はもう準備できている。ニンジン、長ネギっぽい野菜。キノコも大量に用意した。