辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~

 エルはしきりに瞬きを繰り返した。甘い、おいしい、ミルクがおいしい。昨日までは、味気のない白い液体だったのに。

「エル! 味、わかるんですか?」

 ガタリとメルリノが立ち上がった。目をぱちぱちとさせ、エルはもう一度ミルクを飲んでみる。

 甘さとコクが絶妙にマッチしている。素晴らしい。

「……わかりゅ……!」

 目の前にあったパンを手に取る。一口大にちぎったところにバターを塗ってパクリ。

 濃厚なバターと、わずかな塩味。そして、パンの甘さが追いかけてくる。

「おいち!」

 また舌が回っていないのも気にならなかった。今度は、大皿にどんと盛られているソーセージ。皮がぱりっとしていて、じゅっと油が広がる。

「おいち! おいちい!」

 ぽろっと目から涙が零れた。

 もう、ずっと味がわからないかもしれないと思っていた。