腹黒執事は、悪役なお嬢様への愛が強め





朝から心に決めていた通り、私はその後、一人ぼっちでいろいろな出し物や展示を見て回った。

楽しい。すごく楽しいわ。別に寂しくなんてない。本当だ。


ただ一つだけ、ちょっと問題があった。



「『血と人形の館』ですか。今度はお化け屋敷でございますね。校庭まで列が続くとは、大変な人気ぶりで」



そう言いながらしれっと私に続いてお化け屋敷の行列に並んだこの男に、そろそろいい加減突っ込みを入れたい。

私に付かず離れずで歩いていたはずの鷹司は、いつの間にか両腕に焼きそばやたこ焼の入った袋を下げ、どこかのゲームの景品らしい猫のぬいぐるみを小脇にかかえながら水色のわたあめを食べている。


どうしてあんたがこんなに文化祭満喫してるのよ!!

私の護衛してるとか嘘でしょ!!



「独り言でございますが、今までの人生でこのようなイベントとは縁がなかったもので、つい楽しんでしまいました。無論、お嬢様に危険が迫っていないことは常に確認しておりますよ」



……そして心読むんじゃないわよ。