今日は、あちこちでコスプレをしている生徒たちで溢れている。
文化祭にコスプレは定番らしい。パンフレットを見てみると、コスプレ喫茶やらコスプレ写真館やらが一学年に一つ以上は見受けられる。
これなら確かに鷹司のことも、そういうイベントの一環なのだと思われるだろう。
そして、一年生でコスプレ喫茶をやっているのが奏多くんや香田葉澄のクラスだった。
奏多くん、いったいどんなコスプレをしているのかしら。一枚ぐらい一緒に写真撮らせてくれるわよね?
……なんてわくわくしながら奏多くんクラスをのぞいて、私は言葉を失った。
「柳沢、そのコスプレよく似合ってるな」
「本当。これで女子の集客は完璧ね」
「そうかな。ありがとう」
教室の中にいた、数人のクラスメイトと談笑する奏多くん。
褒め言葉に応じる彼は……燕尾服に白手袋という、どこかの誰かを彷彿とさせる執事コスプレをしていた。
「……」



