腹黒執事は、悪役なお嬢様への愛が強め




鷹司は、黒く飾り気のないタブレット端末から顔を上げ、微笑を浮かべながら私の質問に答える。



「本日は、外部から不特定多数の人々がこの桜崎高校に出入りする文化祭。入場の際記名等を求めているとはいえ、普段に比べかなり警備は手薄となっております。それゆえ、微力ながらこの鷹司、お嬢様の護衛を務めさせていただこうかと」


「務めていらないわよ大袈裟ね」


「そして『このタブレット端末を使って何をしていたのか』という質問に関してですが……こうして、愉快な──いえ、魅力的なお嬢様のことを全世界に発信しておりました」


「はあ!?」



鷹司に見せられたタブレット端末の画面には、私も時々利用する人気SNSのプロフィール画面が映し出されていた。

私は思わず端末をひったくって、その画面をまじまじと見つめる。

『お嬢様を観察する執事bot』というのがアカウント名らしい。


その名の通り、とある執事が、仕えているお嬢様の観察日記をつけるという形で様々な投稿をしている。