腹黒執事は、悪役なお嬢様への愛が強め


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「あーもう! 許してなるものかあのにわかリア充どもめ!」



そうこうするうち、あっという間に訪れた文化祭当日。

『桜崎祭』と書かれた大きくきらびやかな看板の前で、私は溜め込んでいた不満を爆発させた。



「なるほど。そういった事情で、お嬢様は楽しい文化祭にもかかわらず一人ぼっちというわけですね」


「くっ……いいのよ、一人でだって目いっぱい楽しんでやるんだから! むしろ好きな時間に好きな場所に行けるんだから、これ以上ないほど気楽よね」


「ふふふ、『ご友人に裏切られて文化祭で一人ぼっちになったお嬢様、強がっている様子が大変尊くていらっしゃいます』っと」


「……ていうか待って。なんであんたここにいるのよ。そして今そのタブレットを使って何したのかしら?」




学校の敷地内にもかかわらず、いつも通り当然のように私の一歩後ろに立っているのは、いつも通りの燕尾服を着て白手袋をした男。

近くを通る人たちは、ほぼ全員が彼のことを振り返って二度見している。日常生活ではなかなかお目にかかれない服装と、はっとするほど美しい顔立ちがその原因だろう。