腹黒執事は、悪役なお嬢様への愛が強め




だけど、その考えは甘かった。



「ねえきっしー、実はわたしも……」


「あっ、ウチもちょうど先週彼氏ができて……」


「アタシは他校の彼が来てくれることになってて……」



何と驚いたことに、そんな調子で次から次へと手が挙がった。

乗り遅れてたまるものかというように、皆それぞれできたばかりの恋人の存在を訴えかけてくる。

そして皆揃って言う。



「きっしーには皆がいるし、自分がいなくても大丈夫だと思って」



一人に許した以上、他の子たちを許さないわけにもいかず。



「……」



気が付けば、いつも私の周りにいる友人たちは全員、つい最近できたばかりの彼氏と文化祭を回るという話に落ち着いていた。

今この空間には、キラキラ青春イベントぼっちが確定した私と、気まずい空気だけが取り残されていた。