腹黒執事は、悪役なお嬢様への愛が強め





そもそもの話、実は学校で香田葉澄と接する機会をつくるだけでも簡単なことではなかったりする。

学校では、私は常に何人もの友人たちと一緒に行動している。周囲から言わせれば取り巻きだ。


私の機嫌をとりつつべったりな彼女たちの目を盗んで香田葉澄に接触するのはまず無理。

それなら取り巻きたちを引き連れて堂々と会いに行ってみればという話だけど、それもなかなか難しい。

何故なら……



「ねえきっしー。香田、全然柳沢くんと別れる気配ないけどいいの?」


「調子乗ってるよあの子。もう一回分からせてあげた方がいいんじゃない?」


「そうだよぉ。あいつ、きっしー敵に回したことの意味理解してないんだって。倉庫に閉じ込めるだけじゃ生ぬるかったのかも」



友人たちはこのような調子だからだ。

……体育倉庫に閉じ込めるのが生ぬるいって何!? 正直それよりも酷い嫌がらせ思いつかないのだけど!!