「だからやっぱり無理なのよ。憎くてしょうがない奏多くんの彼女と和解するのなんて」
そして話は「愛され系悪役令嬢化計画」へと戻る。
友人たちと一緒になって香田葉澄を学校の体育倉庫へ閉じ込めたのは、まだ記憶に新しい。
私の恋敵で、私に嫌がらせをされたことがある。その点から、鷹司も香田葉澄のことをヒロインに見立てたのだろう。
「お嬢様は、本気で香田様のことが憎いですか?」
「そりゃあそうでしょ」
「ですが、彼女にしたことは後悔してらっしゃいましたよね」
「……ええ」
あの子だけじゃない。
これまで私が嫉妬心から、もしくは友人たちの歓心を買うために酷いことをしてしまった子たちのことは、全部覚えているしどれも後悔している。
「その気持ちがあるのなら大丈夫ですよ。わたくしが保証いたしましょう」
「ふん。あんたに保証されたってしょうがないでしょ」



