自分に持っていない物を持っている子がうらやましくて。少しでも自分を強く見せようと飾り立てて、きつい言葉を使って。
ライバルが現れれば、不安で、ズルい手を使ってでも戦意を喪失させようとする。
「ストーカーもどきだったあんたはどうせ知ってるでしょ? 私、奏多くんっていう同級生のことが好きなの」
「存じ上げております。柳沢奏多様でしたね。お嬢様の学年で圧倒的人気を誇る、いわば学園の王子様的存在」
「そう。ライバルなんてもうすごい数。……奏多くんのことを好きになってから初めて認知したライバルには、すれ違うときにわざとぶつかるっていう小さな嫌がらせをしたの」
最初はその程度だった。だけど、してしまってから気付いた。
やっぱり私は、正々堂々と戦えない、小物の悪役だ……と。
「元々クラスの中では強く見られようと一生懸命だったから、もう開き直って悪役になろうと思ったわ。……あんたの言う通り、悪役のイメージがこの辺の小説のキャラだったのは確かね」



