私を見る鷹司の目は、全てを見透かしているかのような目だった。
無意識のうちに息を止めてしまう。
「な、何の話?」
「いや、演じているというのは少し違いますね。参考にしている、と言った方が正確でございましょうか」
「なっ……」
「本当の貴女は、悪役などではないという話ですよ。少なくともわたくしからはそう見えます」
鷹司は小説を一つ一つ丁寧に片付けていく。
私が片付けたときは箱に入りきらなかった分も、何故か綺麗に収納できている。
「お嬢様は、ヒロインではなく悪役に憧れているのですか?」
「別にそういうわけじゃ……」
聞かれて口ごもる。
キラキラした恋物語に憧れた。それは当然、ヒロインへの憧れであるはずだった。
だけど私は、ヒロインみたいな可愛らしい子からは、見た目も性格もかけ離れている。
「ヒロインに憧れてきた。だけど、共感してしまうのはいつだって悪役キャラの方なのよ」



