そして結局、その視線に耐え切れなくなってしまった。
「そ、そうよ悪い?」
私は言いながら、部屋の中央にあったラグをめくり、床下収納の蓋を開けた。
そこには大き目の箱がいくつか入っていて、その全てにびっしりと文庫本が詰まっている。
「ただし、少女小説とかライトノベルとかそういうのね! あんまり文字が多いのは読めないわよ!」
「おやおや、確かに少し意外な趣味ではありますね」
「いいわよもう、好きなだけ笑いなさい」
顔から火が出そう。イメージじゃないのは百も承知なのだ。
だけど鷹司は特に笑いはせず、引き出しの中から静かに一冊を取り出した。
「別に恥ずかしいことではないでしょう。隠すこともないのでは?」
「……昔お父様に、馬鹿に見えるからやめろと言われたのよ」
もともとは、小説よりも少女漫画をよく読んでいた。
キラキラした恋物語は、幼い頃からの憧れで。
お父様からやめろと言われたくらいで素直に従うことはできなかった。
でもお父様は、私の部屋から見つけしだい処分するようにと使用人に命じていた。だからこうして隠すことにしたのだ。



