「それは他の同級生の皆様にはない、貴重な環境でございます」
「でもそれは環境のおかげってだけなんでしょ? 授業聞いて勉強したはずの文法ができてないならだめじゃない」
「いえ、取っ掛かりが有るのと無いのとでは全く違います。合った勉強法を知れば、英語は間違いなく伸びるでしょう。国語も同様です」
鷹司は言いながら、赤だらけの国語の答案を見せる。
「古文や漢文が全くできていないのに、小説部分は異常に高いようです。登場人物の心情を読み取ったり、表現技法の効果を正確に理解していたり……。これも、勉強の成果というよりは普段の生活から得られたものでは?」
「……」
「小説を日常的にお読みになるのですか」
「さ、さあ。どうかしら」
ギクリとする。
鷹司からの視線を受けて、私はそのままスーっと逸らした。
だけどその反応は逆に不信感を抱かせたみたいで。
鷹司は笑顔のまま、じっと私の顔をのぞきこむ。



