腹黒執事は、悪役なお嬢様への愛が強め




「まあ冗談はさておき。真面目な話をいたしますと、お嬢様は理系科目が特に苦手なようですね。逆に、英語や国語といった文系科目はまだお得意なようで」


「得意? そんなわけないじゃない。どれも等しくできないわ。ほら、このテストだって似たりよったりの点数でしょ」



言ってて悲しくなってくる。新手の嫌がらせかしら。

でも鷹司は「いえ」と首を振って、真面目な調子のまま続けた。



「点数だけを見れば確かにそうなのですが、きちんと分析してみると全く違います」


「どういうこと?」


「まず英語の答案をご覧ください。文法やスペルなどはかなり問題ありですが、長文読解はそこそこできていますし、リスニングに至ってはほぼ満点です。日頃から英語を聞く機会が多いのではないですか?」


「まあ、昔からお父様の仕事の関係者に英語話者は多かったから。少しぐらいなら話すこともあったし」



岸井グループは、今でこそ様々な分野に事業展開しているけれど、始まりは色々な国からの輸入品を扱う会社。

うちに来た取引相手に挨拶させられたのは一回や二回じゃない。