「わかったわ、じゃあこうしましょう。……鷹司、貴方も厨房から私と同じものを持ってきて、ここで一緒に食べなさい」
「命令ということですか」
「ええ。燕尾服でおにぎりを食べるなんて、なかなか絵面がシュールじゃない? 見てみたいわ」
こういう言い方をすれば、鷹司は私の希望を聞かざるをえないだろう。
鷹司はしばらくきょとんとした様子だったけれど、やがて静かにうつむいた。
「……」
どうしたのかしらと見ていれば、肩を小刻みに震わせていた。笑っているらしい。
「くくく……やはり面白いお方ですね、貴女は」
「な、何がよ」
「いいえ。お嬢様の仰せのままに」
鷹司はそう言って、厨房から言われた通りに私と同じメニューを運んできた。
では失礼します、と言って席に着き、箸を取る……そんな動作がいちいち美しい。予想通り燕尾服とのミスマッチ感はすごいけど。
「この家で誰かと一緒に食べるのなんて、いつぶりかしら」



