腹黒執事は、悪役なお嬢様への愛が強め




彼が来てから数日、ずっと気になっていたことだ。

鷹司は私が食事をとる間、毎回こうしてそばで静かに控えており、タイミングをみてデザートを持って来たり、落としたカトラリーを拾ったり、食べ終わった後の皿を下げたりする。



「わたくしは執事ですから、お嬢様と共に食事をするわけにはまいりません」


「そういうものなの?」


「これまで他の使用人とは一緒に食事を?」


「そういうわけじゃないけど……。皆忙しいから、私がご飯食べてるのを黙って横で見てる人なんて今までいなかったし」



岸井家は、屋敷の大きさの割に使用人は少ないため、一人当たりの仕事は多い。

お父様は、自分は屋敷にいないことが多いし、弟も海外留学中だから、そこまで大人数雇う必要はないと判断したのだろう。

だから、専属執事とかいう付きっきりの存在は慣れないのだ。


私は少し考えて、いいことを思いついた。