きっぱりそう言い切ったのを合図に、これまで静かにお父様の隣で立っていた鷹司が、一歩前に進み出た。
「改めまして。本日よりまい様の執事となりました、鷹司と申します。どのようなことでも何なりとお申し付けくださいませ」
まるで今までの醜い親子の言い争いなど何も見ていなかったかのように、彼は恭しく礼をする。
その優雅さは、いつの間にかこの場所だけどこぞの王宮にでもなったのでは……と錯覚させられるほど。
「話は以上だ。部屋に戻りなさい。くれぐれも、鷹司君との貴重な契約期間を無駄にしないように」
一方的に話を切り上げ、お父様はそれ以降ちらりとも私を見ようとしなかった。
本当に自分勝手。文句を言おうと口を開きかけたけれど、私とお父様の間に鷹司が立ちはだかった。
「参りましょう、お嬢様」
「……」
穏やかなのに、有無を言わせぬ雰囲気。
私はむっと口を閉ざして、お父様に背を向けた。



