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「それからも時々、水惟の様子を洸さんに教えてもらってた。」

——— 蒼士はずっと水惟のことを気にしてて

水惟は洸の言葉を思い出した。

「はじめのうちは蛍さんのアシスタントで自信なさげに働いてたけど、だんだん笑うようになってきた、とか—」

「デザインの仕事の話題には全然触れないようにしてたみたいだけど、だんだん我慢できなくなってきたみたいだ、とか—」

リバースデザインに入ってしばらくは、辛くなるからとデザイナーの仕事はあまり見ないようにしていた水惟だったが、楽しそうにデザインをしているリバースのデザイナーたちを見ていると徐々にワクワクとした気持ちが戻ってきた。

「半年くらい経った頃に、洸さんのデザインに「ここはこの色の方が良いと思う」って初めてデザインのことで意見したって聞いて…本当に嬉しかったよ。俺は—」


「待って…」
続けようとする蒼士を水惟が止めた。


「そんな話聞いたら余計にわからない…どうして…私たちやり直せないの?」

水惟は困惑した表情で聞いた。