【コンテスト作品】初めての恋の相手はファーストキスを奪った御曹司でした。



 これって……もしかして、プロポーズ……なの?

「奏音、俺と結婚してほしい」

「でも……私なんかで……いいんですか?」

 私は久遠さんに相応しい人間にはきっとなれない。久遠さんは、将来を約束された人間で、私はなんの取り柄もない普通の人間。
 釣り合う訳なんかない……のに。

「私なんかじゃなくて、奏音がいいんだ。奏音じゃなきゃ、ダメなんだ」

「……久遠さん」

 私はいつの間にか、久遠さんのことが大切な人になっていた。
 
「返事は今すぐにじゃなくてもいい。 奏音のタイミングで、返事してくれればいいから。……俺はそれまで、待つから」

 久遠さんがこんなに私を想ってくれている、その事実が嬉しくて……。

「久遠さん……返事、待たなくていいです」

「え?」

「こんな私でよければ……ぜひ結婚してください」

 私の答えは、もうずっと前から決まっていた。

「奏音……本当にか?」

「はい。……だって私の初恋とファーストキスを奪ったのは、久遠さんでしょ?」

 私はこの身を、久遠さんに捧げることを決めたんだ。

「奏音、愛してる」

「私も……愛してます」

「メリークリスマス」 

「メリークリスマス」

 私の初恋は、ケーキみたいに甘い初恋でした。



【THE END】