「クリス……マス……」
まさか、クリスマスに一緒に過ごしたいというお誘いを受けることになるなんて……。
もう会えないって、断るつもりだったのに……。
「クリスマス、俺は奏音と一緒に過ごしたい」
「は、初めてです。……そんなお誘い、受けたの」
クリスマスといえば、カップルにとっては大切な日だということは分かっている。
ホワイトクリスマス、なんて言えるのかは分からないのだけど。
「じゃあ、俺が初めての男ってことだ」
なんとなくだけど、百合原の表情が嬉しそうにも見えてしまって、なにも言えなくなってしまう。
「すみません。私、やっぱり……」
もう百合原さんには、会えない。 どんな顔をして会えばいいのか、分からない。
好きだって言ってもらえて、正直に言うと嬉しいと思う。 誰かに好きだと言ってもらえることも、今までなかったから、なんとも言えない不思議な気分になる。
「奏音、俺は自分が御曹司だとか、そんなの関係なく奏音のことを好きになったんだけど」
「……え?」
「俺は自分が御曹司だと、別に思ってもない。……ただ、産まれたのがたまたまケーキ屋の息子だったってだけだ」
百合原さんと私は、違うと思ってる。



