「ねえ、なんでここに来たの?」
私は草むらの上に座りながら、青野に聞いてみる。青野はいつにもなく真剣な顔をしてこう言った。
「んーと、なんとなく」
ズコッ!拍子抜けしてずっこけてしまった私。それを見ながら笑っている青野。

昔、みたいだ。

   そう、それは九年前の出来事。

私と青野は3年前もここに来ていた。
......そして、青野はお兄ちゃんを亡くした。