1時間目と2時間目を乗り切り、現在3時間目。委員会決めの真っ最中!なんだけど...
私、かなり危機的な状況に置かれています!

「ね、りさ?委員会一緒になりそうだね?」
満面の笑顔で私の方を見てくる隣の方っ!
私の気持ちも汲み取ってぇ〜っ!
私は、泣きそうになりながら、心からそう願う。

しかも...
「青野くんも一緒だし、仲良くなれたらいいなぁ〜」
そう。まさかの青野も同じ委員会という、大変な状態。るかくんは、私の事情を知らないから責められないけど、三年も疎遠だった幼馴染と同じだというこの気まずさ!どう接すれば...?
そ、し、て!一番嫌なのは、女子からの刺すような視線。るかくんも、青野も羨ましいくらい美形だから、とてつもなく視線が痛いッ!みんな、殺しにきそうッ!
私は、隣のるかくんに
「なんで、私と同じ委員会に立候補したの?」
と聞いてみた。
すると、まさかの答えがッ!
「....りさとなら、楽しいかなって」
るかくんはちょっと目線を逸らしながら言う。
なんでかな、すごく嬉しい....!
るかくんはとぎれとぎれに言葉を続ける。
「あと...りさのこと、もっと知りたかった」
「えっ!」
嬉しすぎて、もう泣きそう。
だって、るかくんが私のことをもっと知らたいって言ってくれたんだよ⁉︎
親友になれるかもしれないっ!
私は頭の中で、るかくんとみなみと遊んでいるところを想像し、ワクワクし始めた。
さっきまでは、落ち込んでたのに、力がもりもり湧いてきた!
休み時間の質問責めもこわくないッ!

あ、そういえば、なんで青野も同じ委員会に入っただろう?後で聞いてみよっかな...
でも、昔にあんなことがあったし...

私は、自分の中で好奇心と不安とで葛藤する。青野、私のこと嫌いなんじゃなかったのかな?
そんなことを考えながら、チラッと青野の方を見ると、
バチッ
わわっ、目がばっちりあっちゃったよ⁉︎
青野も私の方を見ていたようで、真正面から相手の顔を見ることになってしまった。
びっくりしたせいか、ちょっぴり顔が赤くなる。私は、サッと顔を逸らして、なにもなかったように前を向いた。
青野、なんでこっち見てたんだろ...?
そんなことを考えていると、目が合った時の青野の不満げな顔が脳裏に浮かぶ。あれ、私に怒ってたのかな?私が同じ委員会になったから⁉︎そんなに私のことが嫌いなのか?
自分の中で至った結論に、ムッとしながら黒板を見つめる。

「あ、みなみは保健委員だ」
そして、その下の欄に….
宮城(みやしろ)の名前をみつける。
宮城は、成績良いし、運動もできるし、イケメン。
でも、誰とも喋らないしつるまない。とってもクール(?)なのだ。
そのため、一部の人達から、「石」と呼ばれている。

みなみ、委員会大変だろうなぁ。でも、みなみならできそう!がんばれ!
私はみなみに密かにエールを送った。
すると、みなみはそれに気付いたかのように、チラッと私の方を向く。
私はみなみに向かってニコーッと笑った。頑張れの気持ちをこめて。
みなみは微笑んで、私から視線を逸らし、前を見つめた。

私もみなみに負けないように頑張ろう!
私は、胸の前でこぶしを握り、気合を入れる。

その時の私は、青野がこっちをジロッと見ていることに気がつかなかった。