「おはよう!」


そう言って、りさが教室に入ってくる。





あぁー、今日も茶髪の髪の毛と大きな目がキラキラとしていて、めちゃめちゃかわいい。



あいつ、笑ったらもっとかわいいんだよな。


照れ顔も、泣き顔も、愛おしいくらいに可愛すぎる。


そんなことを思っていたからか、口元がニヤけてくる。




すると、近くにいた真羽(まう)が目を見張る。


「お前、最近なんかあった?」


真羽は怪訝そうな顔をしながら、耳打ちしてくる。



............。
図星すぎる。


最近、りさがかわいすぎて我慢できないなんて、こいつに言えるわけねぇ...


だから俺は、

「何にもないけど?」

と平然を装う。


でも、真羽はしつこく、

「絶対なんかあっただろ?友達に隠し事はなしだぞ〜?」

なんて言ってくる。




コイツ、こういうときだけ鋭すぎんだよ。




「何にもねぇよ」
意地でもこんなこと言える訳ないし。


俺に聞くのを諦めた真羽は、

「ま、なんかあったら話してくれよ〜」

と言いながら、前の席にいたうるさい女子たちと喋り出す。



真羽は、この騒がしい女たちから、かなりの好意を向けられていると思う。


俺と真羽は、同じような性格なのに、なぜ俺は、りさに意識してもらえないんだろうか。



その時、俺はとても良い案を思いついた。
真羽に、女子が喜ぶようなことを教えて貰えば。

「そしたら、意識してくれる....」


と、ボソッとつぶやく。






いつもうるさいと思う真羽が今回ばかりは、すごく良いやつに見えてきた。