狼上司と秘密の関係

言われるがまま体を動かす。
このまま行くとその先は寝室だ。

シングルベッドは少し狭くてふたりで眠るには窮屈だった。
一旦足を止めたかと思うとドアを開ける気配がした。

空気が揺れて前髪が流れる。
「まっすぐ」

寝室へ足を踏み入れた瞬間、足の裏になにかを感じた。
ふにゃりとした柔らかな感触に足が止まる。
「そのまま目は閉じてて」

そう言うと後ろから大和の気配が消えた。
言われたとおり目を閉じて立ち尽くしていると、なにか準備しているような物音が聞こえてくる。

一体なんだろう。
心臓はどんどん高鳴る。

期待と少しの怖さがあった。
「目を開けて」