時々休憩を挟みながら駐車場へ向かう。
周囲はさっきよりも暗くなっていて、大和が足元を小さな懐中電灯で照らしてくれていた。

幹部クラスの上司たちは持ち場から出る時間が遅いから、それぞれに懐中電灯が配布されているのだと初めて知った。
「私達もその懐中電灯ほしいです。天気が悪い日とか、本当に足元が見えないんですから」

「あぁ……今度かけあっておくよ」
頷きながらもいつもの調子ではないのはわかった。

呼吸も荒くて苦しそうだ。
「ちょっと休憩しましょう」
木製ベンチを視界に捉えて千明はそこに座った。

大和もその隣に倒れ込むように座る。
さっきよりも体調が悪化しているようにみえて千明の胸に不安が広がっていく。

やっぱりこのまま病院につれていくべきよね。
だけどこの状態で駐車場にたどり着けるかどうか……。