時間帯は放課後。
その日は、先生に頼まれて花瓶を移動させるように頼まれて、少し大きい花瓶をもって廊下を歩いていた。
中に水や花は入ってなかったからそこまで重くはなかったんだけど。
…廊下の向こうに、友達と談笑しながら歩く先輩を見つけたんだ。
思わぬところで先輩を見れて嬉しくなってその姿を見つめていたら。
気づいたときにはすでに遅い。
手から花瓶がするっと滑り落ちて、大きな音を立てて花瓶が割れた。
慌てて花瓶の破片を片付けようとしたら、ちょうど割れ目のところをつかんでしまって指が切れた。
『宇佐見くんっ!! 大丈夫っ!?』
先輩が駆け寄ってきた。
一瞬で、痛みなんて引いてしまった。
先輩の存在はそのときから魔法使いみたいだったんだ。
『や、こんなのかすり傷なんで…』
『なに言ってんの! こういう怪我に慣れちゃったらあとが怖いんだから。自分の体は大事にしてよ』



