おせち料理を全て食べ終え、二人は支度をして副社長室を出る。

近くの神社で初詣を済ませると、それぞれ自宅に帰ることにした。

「じゃあ、真里亜。お正月はご家族と一緒にゆっくり過ごしてね」
「はい、ありがとうございます。副社長の初出勤は、いつですか?私もその日から出勤します」
「いや、俺に合わせなくていいよ。真里亜は他の社員と一緒に、5日から来てくれれば」

はい、と真里亜は小さく答えてうつむく。

そんな真里亜に、文哉は、でも…と続ける。

「会いたくなったらいつでもおいで。待ってるから」

真里亜はパッと顔を上げて、満面の笑みで、はい!と頷いた。

「ホントに可愛いな、真里亜。離れたくなくなる」

人影がまばらな路地の一角で、文哉は真里亜を抱きしめる。

「じゃあ、充電しておこう」

そう言って文哉は優しく真里亜にキスをした。