窓の外には輝くイルミネーション。
きらびやかなクリスマスツリーが街のあちこちを彩る聖なる夜。

真里亜は、文哉と結ばれたこの日の幸せを噛みしめていた。

「大丈夫だったか?真里亜」

シーツに包まりながら、文哉が労るように真里亜の髪を撫でる。

「うん、大丈夫」

恥ずかしさに頬を染めながら、真里亜は上目遣いに文哉を見上げる。

「優しくしてくれてありがとう、文哉さん。とっても幸せだった」
「何を言うんだ。俺の方こそ、大切な真里亜の全てを俺に捧げてくれてありがとう。ずっと大切にする、必ず」

真里亜は微笑んで頷く。

以前は、思い込みで互いの秘密を抱えていた二人。

だが真里亜は、今夜また新たな秘密を知る。

冷血副社長が、自分にだけは甘く優しく愛してくれること。

そして文哉もまた、真里亜に内緒である決意をする。

いつか必ず真里亜にプロポーズする、と。

真里亜がその秘密を知るのは、まだ少し先のこと…。