恋は秘密のその先に

 開演時間となり、真里亜と並んでホールの席に着くと、ようやく文哉はホッとする。

 オーケストラの演奏は素晴らしく、ふと隣を見ると真里亜が感激のあまり目を潤ませており、その綺麗な涙に文哉は思わず見とれた。

「はー、とっても素敵でした。厳かで、心が洗われるような……。まさに聖夜の音楽って感じでしたね」

 席を立ち、うっとりとしながら余韻に浸る真里亜を、文哉は優しく見つめる。

 (こんなにも一つ一つを楽しんで感激してくれるなんて。もっとたくさん、どこへでも連れて行ってあげたくなるな)

 これから行くディナーも喜んでくれるといいなと思いながら、文哉は真里亜の肩を更に抱き寄せた。